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TIPS 総合型選抜の考え方や書類作成のヒント

クリエイティブな受験生を支援するハイレベル総合型選抜専門塾《Alternative Academy®︎》の代表・河合雄介が主筆のこのBlogでは、AO入試(現・総合型選抜)の受験生やその保護者、高校の先生、大学の教員、企業の採用担当者の方々からいただいた質問に、私見も含めながらお答えしていきます。

※質問募集は公式LINEでもお受けしております。
※全ての質問に回答できるわけではございません、ご了承ください。

【Q&A】#26-30に続き、今回もAO入試受験を検討中のご子息・ご息女を持つ保護者の方々からの質問です。


 「詳しくないだけ」なら、あまり気にしなくても大丈夫です。
情報やメンタル、ストレスに影響するプラス要素・マイナス要素は少ないからです。むしろ、厄介な(というよりは、受講生に不利益になる可能性がる)のが「詳しくもないのに思い込みだけでアドバイスされること」です。 
ここ数年で、現場でも改善傾向や肯定的な流れがあるとはいえ、まだまだ「学校の先生=教育現場の担当者」でも、AO入試(総合型選抜)に対する認識には、誤解や偏見が残っているようです。

 例えば、大学教員は研究者ですので、研究者が好む志望理由と、高校の教員が好む志望理由には違いがあります。特に、早慶や筑波、立教などの総合型選抜の場合、「社会的意義」か「学術的意義」のある研究テーマを提示することは、もはや当然の流れでありまして、その両方の意義を高校の先生がどの程度理解されているかが「詳しさ」の判断基準といえます。

 この理解度にズレが生まれると、「10年前(2015〜2019年)のトレンドのような志望理由書」が誕生することがあります。いわゆる「AO入試向けの志望理由」がテンプレ化した、ハイレベルな大学ではもはや御法度の文章(と面接対策の一問一答)のアドバイスです。
これは、高校の先生に限らず、2~3学年上の先輩のアドバイスにもその傾向がありますが、二次試験の面接で不合格になる可能性を孕んでいます。
Alternative Academy®︎のサポートやLINE相談では、常にリサーチし最新の情報を提供できるようにしていますので「違和感の解消」ができます。気になる方は、「セカンドオピニオン」のサポートをご利用ください。

 学校の先生が「詳しくないだけ」でしたら、当塾のようなアカデミックサポートを提供する民間の塾に委ねていただけるのであれば、志望理由書や面接対策に大きな問題はありません。
唯一、課題があるとすれば、「学校の先生が用意する書類」の書き方です。評定などの成績表は事実の書類ですが、担当教員の裁量で書き方が変わる書類は少々注意が必要なのです。

 例えば、慶應SFCのAO入試では、推薦書ではなく「志願者評価」を2名分アップロードする必要があります。そのうちの1名分は、多くの受験生が担任の先生や部活動の顧問の先生へお願いするのですが、「推薦書」と勘違いしているケースが多々見受けられます。
この書類だけで大きな減点になることは考えにくいのですが、2025夏AOの面接でも、「評価書を書いた人とはどういう関係なの?」と質問された事例が複数ありました。無知なまま、過剰な推薦内容になってしまいますと、面接での質問の流れに影響があることは過去にも確認できています。教員の皆様も、正しい解釈が必要なのです。

 Alternative Academy®︎では、受講生の評価者向けに「志願者評価の書き方講座」を映像で共有配信しております。(受講生に共有してもらえれば、無料でご視聴いただけます)

 我々は、学校の先生とは敵対する存在とは思っておりませんので、最適な支援を分担できる関係性を築くべきだと考えています。

 学校の先生も、全ての入試に詳しい専門家ではありません。
長年の傾向から精度の高い分析を常にしている専門家を情報源にすることをまずは意識して、誤解や偏見の是正から入ることも必要になってきています。


「型破り」だと判断できるなら応援した方が良いのですが、「型が無いことの言い訳が型破り」なのでしたら一度立ち止まり、「本来の型」をまずは確認してから進めて(勧めて)みましょう。

「型」はしばしば基礎的なものと捉えられますが、基本の型を理解をしているから、「型(を)破り」ができるわけです。
AO入試で求められる考え方に、「守破離」があります。この順番はイノベーションでもクリエーションでも必要なプロセスだと捉えていますが、「型を守れる人」から「型を破れる人」へ成長することで「(既存の)型から離れる人=自ら型をつくれる人」になれるわけです。

この「守」の過程は、「型」を熟知した専門家から学ぶ(真似ぶ)ことが重要ですので、ご子息・ご息女の意向や目的に合う有識者と出会うまでに時間と予算をかけてあげることが最大の応援だと思います。

「守破離」の順に、独立した思考や行動ができるようになることも必要ですので、「テーマ選定の初期段階にこそ時間をかけ、慎重に『型』を理解すること」をお勧めしております。

(余談)
別の記事で触れるかもしれませんが、建築家・菊竹清訓氏による『か・かた・かたち』もAO入試やビジネスに必要な思考のヒントが記されています。

『建築代謝論 か・かた・かたち』(菊竹清訓, 1969年)
https://artscape.jp/artword/5739


「必要な距離感で、いつでも子離れできるか」

この一言に尽きると思います。
Q32の「守破離」の「離れるフェーズ」でもあります。
物理的にも心理的にも、状況・環境に応じて適度な距”離”を保つ習慣を、高校入学までには遅くとも意識してください。今後の総合型選抜入試枠の増加を見据えると、中学生活の途中、ちょうど反抗期と重なるタイミングはそのチャンスかもしれません。

失敗を幾重にも経験させられるか、これも試練だと思います。
学校に行けなくなっても、親が一方的に判断せずに話し合い、本人に考えさせること。
受験先も、まずは本人の意志を聞くまでは、「**高校がいいんじゃない」とさえも親からは提示しないこと。

そうしないと、総合型選抜の受験生活に受験生本人が最も苦労(&疲労)します。
その資質は、「ご家庭での対話量を基に構築される」と考察しています。

中学(や高校)受験も一つの試練ですが、受験勉強時間と同じくらい、ご家庭での対話(思考の言語化)時間を確保することを、お伝えしております。押し付けずに、きちんと「聴く力」が周囲の大人には求められていますね。


 あえて厳しく、元も子もない話をしますが、「(高校卒業後)すぐに大学に行かなくてもいいんだよ」と伝え、話し合う時間をとりましょう。

大学進学は義務教育ではありません。

「大学に行きたい」と思ったら受験をすればいいのです。親御さんのエゴだけで「とにかく大学進学はしてほしい」と願うご家庭も多いのですが、果たしてその進路が最適な選択肢なのか、親子できちんと向き合い、本音で話し合ってみましょう。大学進学すれば人生どうにかなる時代ではないのです。

 その上で、何らかの学びたい理由が少しでもあるのでしたら、それが志望理由の萌芽そのものです。
強制/矯正になりそうな叱咤激励でダメージやプレッシャーを与えるのではなく、養分(=知識、体験、情報)を与えて、伸びてくる場所を予想して支柱(=ガイド、サポート体制)を見直しましょう。

AIには難しいことを、親や教員や講師の誰かが支えるしかないのです。


 「気まずい」のだとしたら、受験生側が気まずさ(負担)を担うのではなく、その学校(や担任の先生)の思想や思考、進路指導環境に違和感を持つところからはじめましょう。AO入試(総合型選抜)の枠が年々増えているとはいえ、まだまだマイノリティである選択肢ですので、同様のお悩みを抱えているご家庭も少なくありません。

「気まずい」と感じてしまうお気持ちもわかりますが、そのネガティブな偏見や誤解を、まずは当事者側が捨てることから始めましょう。ネットやSNSの煽り広告などの情報を見て迷走し、疲弊するのではなく、長い目でキャリアを考えた時に「このタイミングで総合型選抜を受けるメリット」を考えてみてほしいのです。その把握ができれば「気まずい」とは思わなくなるはずです。
失礼ながらの推測ですが、ご質問者の方はおそらく「担任や進路指導の教員との人間関係が健全とは言いにくい」のだと思います。

 ここで、総合型選抜のデメリット(つまり、AO入試反対派の教員の言い分)を考えてみましょう。
デメリットは主に3つあります。
一般入試の勉強時間が相対的に減ること
通塾費用の捻出
周囲の目を気にする人間関係によるストレス の3つです。

つまり、時間・お金・人間関係はストレスの3大要因とも言われ、あらゆる勇気ある決断にはつきものです。このうち①は学校の先生が「AO入試に反対」する場合によく使う言い分で、実際には③を避けたいことが伺えます。

この3要因とどう向き合うのかを次は整理してみましょう。

 ①時間は全人類・全受験生に平等です。計画によって効率化することで体感的には増やせた感覚は持てますが、実質的な時間は増えません。余計な時間を削るしかないのです。
一方で、非効率的な時間(遠回りする試行錯誤)が、総合型選抜の書類作成や面接対策で有効であることは多々あります。何に時間をかけるか、その取捨選択すらも楽しめることは、大学での研究・創作活動の基盤として非常に重要な思考です。

 ②お金は、情報を得るために必要ですが、月額制や追加課金で支払い続ける頻度の負担も大きく感じやすいものです。ただし、「未来に応用できる基礎学力向上への投資」と考え、肯定的に捉えることで緩和はできます。

 最もコントロールしにくいのが③人間関係のストレスです。空間と時間を共有する学校の先生との関係性は良好であることが望ましいのですが、そううまくいかないケースも多々あります。
仲間としての認識であれば良いのですが、足を引っ張るような存在として高校教員側が介在してしまうと、その心情や言動までコントロールするのはほぼ不可能に近く、ストレス源となりやすいのです。

これは、高校の教員側にもストレスは発生しています。
不慣れな志望理由書の添削や、面接練習の相手など、担当教科外の校務と捉えている方もいらっしゃるようです。それゆえに、受験生側から「言いづらい」こともあるのでしょう。

 人間関係のストレスに対して唯一の対策は、できるだけ関わらないこと(干渉されないこと)です。
Q31の「詳しくないだけ」か「指導実績もあり詳しい」のであれば、マイナスに働く関係性にはなりにくいですが、「誤解や偏見が強い」場合は、必要最低限のコミュニケーションに留め、学校に依存しないこともご検討ください。

 もし、三者面談などで総合型選抜受験を否定的にアドバイスされたり、不安になるようなことがあれば、Alternative Academy®︎の無料相談セカンドオピニオンをご利用ください。
少しでも目的や将来の可能性が見通せるようになるだけで、気分はかなり軽くなるはずです。

「AO受験を考えている」ことが「気まずい」高校を選ばないように、高校受験段階での学校側・教員側の意向を早い段階で確認しておくことも、今後の中学・高校選びでは重要な視点になるはずです。
高校1,2年次の進路面談で気づく頃には取り返しがつきません。
「AO入試に対するリテラシー」は高校単位、教員の方々も、思想や考え方は個々に異なりますので、これもまたご子息・ご息女に合っているかどうか、なのだと思います。

学校は選べますが、教員は選べません。
この点においても、AO入試は運の要素が複数絡むのです。


次回は、Q36-40にお答えします!

Alternative Academy®︎
代表・河合雄介


この記事を読んでくださった受験生・保護者・関係者の皆様にとって、
受験本番までの時間が最も長く残っている日は、今日です。

「総合型選抜、何から手をつけていいかわからない…」
「書類の添削ってどこの塾も同じですか?」
「学校の先生との面接練習だけで合格できますか?」

様々なお悩みや心配事があるはずです。
まずは一度、Alternative Academy®︎の無料カウンセリングを受けていただき、最適な準備をご検討いただければと思います。皆様の決断を先導&後押しできる準備を整え、サポートでお待ちしています!

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