クリエイティブな受験生を対象としたハイレベル総合型選抜専門塾《Alternative Academy®︎》の代表・河合雄介です。
このBlogのQ&Aでは、AO入試(現・総合型選抜)の受験生やその保護者、高校の先生、大学の教員、企業の採用担当者の方々からいただいた質問に、私見も含めながら回答いたします。
※質問募集はXのDM、または公式LINEでもお受けしております。
※全ての質問に回答できるわけではございません、ご了承ください。
第1回目は、AO入試受験を検討中の高校生・既卒生からのご質問・前半10問分をお答えします!
目次
- Q1. AO入試で一番「伝わる」志望理由書って、どんな構成ですか?
- Q2. 自分の探究テーマに「社会性」があるか不安です。どう見極めたらいいですか?
- Q3. 面接で「意外とよく聞かれる質問」と、その意図を教えてください。
- Q4. 「やりたいことが決まってない人」はAOを受けちゃダメですか?
- Q5. 志望理由書で“正解っぽいこと”を書いてしまうのはやっぱりNGですか?
- Q6. 探究活動がまだ途中でも、出願に使えますか?
- Q7. プレゼン型の面接で緊張しないコツってありますか?
- Q8. 「実績がない人」が評価されるパターンってありますか?
- Q9. 総合型選抜で「デザイン」や「音楽」などをテーマにする場合、何を意識すべき?
- Q10. 総合型選抜と学校推薦の違いを一言で言うと、どこにありますか?
Q1. AO入試で一番「伝わる」志望理由書って、どんな構成ですか?
「志望理由書」といっても、「自己推薦書」や「入学後の学習計画書」も含む場合とそうではない場合がございます。もちろん文字数によっても異なります。
「自己推薦」を含む場合、「どんな経験をしてきた人なのか(過去)」を自ら推薦することが必要です。
書類の序盤に、自己紹介として書くことがセオリーではありますが、受験生や志望理由の内容によっては、文末にまとめて「最後の一押し(推し)」とする方法も効果があります。
「学習計画」を含む場合、慶應SFCはその典型例ですが、多くの「志望理由書合格マニュアル」系の書籍や、学生講師の添削を拝読すると、第一段落に結論として要約+最後から1〜2つ目の段落で具体的な学問分野や希望する研究会の教員名などを書く構成が多いです。
この構成自体は、合理的であり一つの模範構成ともいえます。
ただしこの書き方は、大学側が一次審査をしない場合や、一次試験免除者の場合には、考え直す必要があります。
特に、学校推薦型のうち指定校推薦の場合、所属高校での教員・校長の審査が最初にあります。このような状況では、学部や志望理由に関する専門的な経緯よりも早めに、具体的な学習計画を書くことを推奨しています。学校の先生は、その志望理由の専門家ではないからです。
Alternative Academy®︎の慶應SFC特化クラスでは、今年の通過者全員が実践した構成をわかりやすく解説した講座もご用意しております。最も複雑な「混ぜ方」が必要な学問分野融合系の志望理由書には、「ちょっとしたコツ」があるのは事実です。
まぁ、「一番」の解釈も難しいですね。
FRUITS ZIPPERに「わたしの一番かわいいところに気付いてる?」と聞かれて、
「一番なんて答えられない!(=定量化できない)」のと同じです(ちょっと違う)。

Q2. 自分の探究テーマに「社会性」があるか不安です。どう見極めたらいいですか?
そもそも「社会性」とはなんでしょうか。
試しに、社会的意義があるか否か、で捉えてみましょう。
貴方が大学で学びたいこと=研究したいことは、貴方の身の回りの誰かをハッピーにさせる可能性がありますか?あるのでしたら、社会的な意義も少なからずあるわけです。
ただし気をつけていただきたいのは、「迷惑をかける可能性」もあるかどうかです。
その迷惑を最小限に抑えるための研究であれば、これまた社会性はあるといえますが、迷惑=不幸を提供する割合が高い場合、社会的な意義があるかどうかは自問自答する必要があります。
社会性というよりは、ご自身の倫理観や哲学ともいえることなのでしょうね。
Q3. 面接で「意外とよく聞かれる質問」と、その意図を教えてください。
「今日、ここ(大学のキャンパス)までどうやって来ましたか?」です。
小学校や中学校のお受験じゃあるまいし…と思った方、なんと答えますか?
遠方の居住地から受験した場合、面接の時間にもよりますが、聞かれることは多いんです。
この質問は、「プロセス(途中過程)の詳しい解説」ができる人なのかが丸わかりなのです。
間違っても、「電車とバスで来ました〜」なんてシンプルに答えないでくださいね。
そんなことは期待以下のズボラ回答です。
せっかくのコミュニケーションのチャンスを無駄にしているのも同然です。
電車好きの小学生の方が、プロセス思考だったりもしますので、地図や路線図や旅程を構想・回想できる能力って、総合型選抜向きなんですよね。
Q4. 「やりたいことが決まってない人」はAOを受けちゃダメですか?
「受けちゃダメ」ということはありませんが、大学の募集要項の出願要件には、大抵「本校で学びたいことや将来の構想が明確にある者」のように書いています。
大学の審査員側からしたら「だったら、受けないでほしい」と思われるかもしれませんね。
もちろん、将来の構想はまだ不明瞭だけど、教養として幅広く志望校で学びたい意志が書けていれば十分な大学・学部の入試もあります。こればかりは、大学のアドミッションポリシーやカリキュラムポリシーと、現在の貴方の意志の角度や熱量が合致しそうかの判断になるでしょう。
なお、個人的には「やりたいことが決まってない」なら、
「やりたいことが決まる」まで、大学に行かなくてもいいと思っています。
受験料もほとんどが35,000円/回もかかりますし、入学したら月額11万円のサブスク(x48回!)ですからね。
元は取った方が賢明だと思います。
Q5. 志望理由書で“正解っぽいこと”を書いてしまうのはやっぱりNGですか?
志望理由書の正解は受験者自らが定義できるのが、総合型選抜などの特性だと思います。
「正解っぽいこと」は正解ではないということですので、不十分な志望理由書で出願するようなことと言えるでしょう。
一方、研究の仮説については、「正解っぽいこと」だけど、まだ検証が必要なことでもありますので、志望理由や学習計画の動機にはなり得ます。
ご質問者は、おそらく河合の過去のインタビュー記事などをお読みになられて「正解よりも途中式が大事」だということを伺いたいのだと推察します。
その点では、「正解っぽいこと”だけ”」を書くことは推奨できませんが、途中式の検証も含めて「おそらくこういう正解になりそうだ…(が、今の自分にはここまでが限界でした)」と仮説を提示することは、むしろ歓迎される探究のスキルではないでしょうか。
…と、「正解っぽいこと」を書いてしまったことをお許しください。
Q6. 探究活動がまだ途中でも、出願に使えますか?
「途中」がどの程度かにもよりますね。
例えば、ポケモンやドラクエなどのRPGで「全ステージクリア」することが探究のゴールだとした場合、ゲーム開始直後の野原で戦い始めた段階ではさすがに出願書類としての効果はいまひとつでしょう。
ラスボスで何回も手こずっているけど最高のパーティを組むことは出来ている段階でしたら効果はばつぐん(に近い状態)といえます。
目的を見誤らず、目の前まで見えている状態なのであれば出願書類にはぜひ活用したいですよね。
逆に、方法やスタイルやこだわりなどに捉われて、前に進めていない状態や、ゴールが遠い山の彼方で目視できない状態でしたら、潔く別の資料に力を注ぐということも検討しましょう。
SEKAI NO OWARIも、『RPG』(2013)で同じような歌詞を歌っているじゃないですか。
「方法」という悪魔にとり憑かれないで
「目的」という大事なものを思い出して
Q7. プレゼン型の面接で緊張しないコツってありますか?
ズバリ、緊張しても「言いたいことは言える」状態を準備しておくことです。
緊張はほとんどの人がします。私も最初はよく緊張していました。
うまく口が動かないんですよね。
だからといって、カンペを見ながら読み上げるようなプレゼンは、印象が良くありません。
そこで、プレゼン資料・スライド自体がカンペになるような資料のデザインをしておくのです。
1〜2行の短いテキストのみのスライドを挟みながら、写真や図解には補足を”小さく”入れます。
「小さい文字だと、審査員が読めないのでは?」という意見をよく伺いますが、
読めなくていいんです、自分が読めれば。
意図的に読みにくいサイズの文字でも、ビビらずに入れておいて構いません。
プレゼンは、読ませるのではなく、聞いてもらうことが重要だからです。
スライドの配色によっては、グレーの文字で注釈を入れる程度でも十分です。
大事なことは、話すあなたが伝えるべきことを、きちんと話せるかです。
配布する資料は別途お渡しする可能性があるのですから、
5〜10分程度のプレゼンスライドは「自分が気持ちよく喋れる状態の仕込み」だと捉えてください。
資料を作ることが目的ではなく、相手に伝えることが目的です。
Alternative Academy®︎の面接・プレゼン講座(C class)では、PowerpointやCanvaでのスライド作成の段階から「本番当日の時間配分」も設計しながら、言葉や素材を選ぶことをアドバイスしています。

Q8. 「実績がない人」が評価されるパターンってありますか?
ありますが、「実績」の捉え方次第ですし、「評価」はされても「合格」はしないこともあります。
大学によっても様々なアドミッションポリシーや出願要件がありますので、
指定された基準を超えている=実績がある、とも判断できます。
早稲田大学のスポーツ科学部などは、この「実績」の自己評価・主張の仕方にコツがあります。
事実+成績は示した上で、その解釈の仕方も含めて伝えることができると書類の通過率は確かに高まります。
また、立教大学現代心理学部映像身体学科(自由選抜入試)は、
毎年、ダンス系・身体表現系の受験生の志望者が多い学科の一つです。
つまり、何らかのダンス経験者・実績保持者が目立つわけですが、
過去に私が担当した生徒に「ダンス経験、なし」の受講生がいました。
私は彼女に「ダンス動画やMVの分析方法」をアドバイスし、その後はひたすら量を増やしました。
結果、自主研究でもあり、探究学習のような形で、分析レポートを提出し、合格しました。
このレポートも「実績」と捉えることもできますが、
一般的な見解では「実績なし」と思われるようです。
評価された実例があるわけですから、「やらないよりはやった方がいい」好例だったのです。
Q9. 総合型選抜で「デザイン」や「音楽」などをテーマにする場合、何を意識すべき?
「なんか、良い!」と考えずに口から言葉が漏れることを、一度やめてみることです。
「ヤバい、すごい、エモい、え待って」なども禁止です。
必ず「なにが良いのか」を言語化してみましょう。
言語化、言語化…って、耳が痛くなるほど聞くことになりますよね。
ここでいう言語化は、単なる「あなたの感想」や「言葉にできない」を、せめて少しは情報量を足してみましょうよ、という小さなステップからで構わないのです。
その上で、デザインもビジュアルなのか、空間なのか、
WebサイトやアプリのUI/UXなのか、サウンドなのかにもよります。
ほとんどの場合、「視覚・聴覚情報」を取り扱うことになりますので、
それらの「情報」を定量的に観測できるようになるかが重要です。
数値や単位で観察できるかですね。
スマホが前提の現代。
理系も文系も関係なく、「データ」を扱うことはもはや教養として慣れておくとよいでしょう。
これが、なかなか難しいかたは多いのですが、
Alternative Academy®︎の視覚化・デザイン資料系のサポートでは、文理関係なく「数値化」の視点が身につきやすいサポートを提供しております。
個人差はありますが、良くも悪くも「理屈っぽい 理論的な」思考は身につきますよ。
Q10. 総合型選抜と学校推薦の違いを一言で言うと、どこにありますか?
総合型選抜との違いは、
・学校の代表者(校長先生)が読むか読まないか
・大学や学部によって、一校あたりの受験者の人数制限があるか
・学校の成績の数字に4や5が必要か、2や3が多くても出願できるか
・学校の代表者(被推薦者)としての自信や自覚があるか などです。
一言で言うと、「出願書類の最初の評価者が、現在の仲間か、未来の恩師(候補)か」の違いです。
所属高校の名を背負って出願するので、あなたの好き勝手な態度や姿勢が、
翌年以降の受験生の評価に悪く影響してしまう可能性もあります。
高校に対して「申し訳ない気持ち」があるなら、総合型選抜か一般選抜で頑張りましょう。
学校推薦型は、前提として専願扱い(=合格したら入学確約)になります。
よほどのことがない限りは、その大学へ進学前提で受験します。
「決心」をした上で、出願書類の準備に取り組んでください。
学校の勉強や部活、委員会などを頑張ってきたからこそ得られる特別なチケットが学校推薦型出願者の権利です。それ自体は素晴らしいことですが、学校ごとにバイアスがかかっていたりもしますので、「総合的」に判断されるとは言い難い入試方式でもあります。
さて、急ぎ足で全10問を回答しました。
私にとっても、思考を整理する良い時間でした。
次回は、受験生からの質問の後半10問や、保護者、教員の皆様からの質問にも回答していきます!
Alternative Academy®︎
河合雄介