LOADING

TIPS 総合型選抜の考え方や書類作成のヒント

クリエイティブな受験生を支援するハイレベル総合型選抜専門塾《Alternative Academy®︎》の代表・河合雄介が主筆のこのBlogでは、AO入試(現・総合型選抜)の受験生やその保護者、高校の先生、大学の教員、企業の採用担当者の方々からいただいた質問に、私見も含めながらお答えしていきます。

※質問募集は公式LINEでもお受けしております。
※全ての質問に回答できるわけではございません、ご了承ください。

【Q&A】#41-45に続き、AO入試(総合型選抜)の受験に関わる「中学・高校の教職員」の方々からの質問です。


『「AO入試=一部の意識高い生徒のため」と誤解されがちな現状』は、「意識高い生徒」の定義や解釈を「学校全体で変わるように教員の意識も変えること」でしか、変えられないと思います。

合否にかかわらず、「AO入試にチャレンジした受験生」をどのように讃え、校内に伝えるか。
その伝え方のコツは、AOで合格した受験生が「いかに希少で、後天的に有能で、努力をした結果だったのか」をきちんと後進に語り継ぐことです。
実績やわかりやすい定量的な成果ではなく、「定性的な”過程の評価”」を伝えられるのは、身近な存在である先生方にしかできません。

Alternative Academy®︎が考える「ハイレベル」の定義は、偏差値や知名度による難易度を指しているのではなく、「受験期間の成長目標として、高度な思考や独創的な表現ができること」です。
既にある実績や意識の高さ、合格した大学の知名度や偏差値だけで語り継ぐのではなく、「受験生としての向き合い方の変化が重要だったこと」を、学校が声を大にして伝えていただかなければ、このお悩みは永遠に解消できません。

そうしない限り、「実績があるから早稲田に受かったんだ」などの短絡的な印象のまま、校内でステレオタイプ化してしまう可能性があるからです。(既にそうなっている高校もあります。)

意識が低いよりは高い方がいいはずなのですが、「意識”だけ”が高い受験生」を審査することが、大学教員(や塾講師)を困らせている一因でもあります。こういった皮肉とも取れる表現を是正することが、まず大事なのではないでしょうか。
特に、外野でも内野でも「口だけで行動の伴わない発言者」は、受験やビジネスにおける「無双ではなく夢想」に過ぎません。

「何らかの実績がある人」はそもそも、高校入学以降、学校の勉強以外にも取り組み続け、一定期間の継続経験がある人です。意識が高いかどうかではなく、「無意識にそういった活動を日常化できる人」とも言えます。このような人を、「意識が高い」と揶揄すること自体、日本社会の恥ずべき行為とも言えますよね。

「意識の矛先を決められる」人に、AO入試の可能性は開かれています。
「意識の正しい高め方と向け方」を、中学・高校の先生や保護者の方々も教育しなければいけない時代です。

志望理由書の解説として常套句の「過去・現在・未来の一貫性」は、単なる「What=何をしてきたか」の連続だけでなく、「How=どう取り組んできたか」の連鎖でもあるのです。

意識を変えるのは受験生や周囲の生徒たちだけではありません。
保護者も教員も学校も、大人たち側も必要なのです。

とはいえ、いきなり全員の意識や見方は変わりませんので、
意識の高い生徒に悪影響が起きないように守ることが教員や学校の役目ではないでしょうか。
本質を理解していない外野の対応なんて後回しでもいいのです。


期待外れの回答かもしれませんが、「イベントとしての講評会」程度の認識なら
「無理にリンクさせなくて良い」ですし、「させない方がいい」とさえ思います。

様々な探究テーマに対して、どんな専門家が批評/講評をしてくれるかにもよりますが、順位づけや〇〇賞のような形で「一喜一憂させたり、焦らせる」ことは、総合型選抜受験に効果的とは言えません。

意味を持たせるのでしたら、最終講評の際、「今後の展望」を必ず質問し考えさせることです。
志望理由の萌芽が潜んでいることも多いからです。
ただし、生徒本人が、その探究テーマに対して、どれくらい本気なのか次第。

「学校に言われてやらされているだけ」の探究学習なら、一つのイベントとして楽しく終わればそれで十分です。当然、AO入試対策に無理やり繋げたとしても、結果は期待できません。
実は、2022年以降の入試で、特に顕著な傾向とも言えます。

「探究学習の開始理由」が「主体的」かどうか。

「総合型選抜に活かせる」というだけの理由で探究させているとしたら、
根底がおかしい学習機会の提供なのです。

志望学部・学科のAO入試に合格できる人は、
講評会など関係なく、自分が評価される場所を見つけてくることも多い
のです。
高校が用意した「ものさし=採点基準」なんかで、「自分の才能を測られたくない」と思ってる方も結構多いのです。


ご質問が抽象的なので、一言では回答できませんが、これも大学・学部次第、そして貴校次第です。

総合型も学校推薦型も、同じ出願先に、同じ分量で、同じ内容(志望理由書や自己アピール)が求められていれば、基本的な題意は同じですので、「方式や時期の違い」と捉えるだけで十分です。
課題レポートや二次試験の内容に差があるのでしたら、生徒の向き・不向きの相談に乗ってあげることも必要ですが、わざわざ「差」をつける必要はありません。

ただし、指定校推薦の形式で「学校長や高校の先生たちが評価をする」場合Q1のような考え方も必要になります。

学校推薦型選抜の場合、前提として「学校内での勉学・部活・諸活動」は全て鑑みた上で、推薦できる受験生かどうかで、第一関門の通過が決まります。
高校として「自慢の生徒」は学校から推薦もしやすく、進学実績にもなるので合格を後押ししたいはずですので、つい「助言したくなる」こともあるでしょう。

一方で、総合型選抜は「学校に依存しなくても出願できる入試」です。
「ありがた迷惑」になるような「お節介」、
もしくは「余計なお世話」をしないように気をつけなければなりません。

ご質問の「差」をつけるとしたら、「受験生と教員の差=距離」を保つことです。

「高校の先生にしかできないこと」を、我々も重々理解した上でサポートを提供しています。
「高校の先生にはできないこと」は、安易に思い込みだけで行わないようにしていただくことが、結果的にうまくいくことがございます。

総合型選抜は、生徒の自発的な求めがあれば対応する。
つまり、「放っておく」ことも大事な配慮です。

学校推薦型選抜は、検討する意思を示した生徒に対しては、教員からも適宜様子を伺い対応する(が、できれば総合型と同様に自発的に行わせる)ことが理想です。


前回の回答でもお伝えしましたが、「各科目の試験に、小論文を導入」することだと思います。
学んだ知識(Input)を、思考や表現の素材や道具として活用(Output)できるかの確認は、単元テストでは難しいからです。

例えば、ニュースでは報道されていない身近な社会課題を一つ挙げてもらい、その課題の要因分析や解決策提案に、物理の計算式や日本史の文脈理解などを用いて論じてもらうのです。

各科目の「探究的な学び」の成果を、半強制的に定期試験で問うのです。
小論文形式はお薦めですが、実験や創作、レポートなどでもいいでしょう。

「パッケージ化された探究学習の教材」などを導入するよりも、
本質的で、効果的で、リーズナブルです。

Alternative Academy®︎では、志望理由や探究テーマが決まらず足踏みしている受講生に、そのような短い小論文課題を提供することがあります。
1〜2週間の取り組みでも、視点・視野・視座、そして視界が拡張していく受験生は多いです。

これらをまとめると、

・多角的な視点で、各教科に取り組む
・各教科を“融合”させて学ぶ
・InputとOutputの”過程”を連続的に試験する

これらをまずは意識してみてください。


「大学入試の都合に合わせず、真剣に悩んでみよう」という姿勢を、教員の方々が示しましょう。
教員と生徒の個々人の接し方以前に、学校組織と生徒の接点の構築を「学校の理念=姿勢、態度」としてどう示すかです。
詳しくは、過去の回答(Q41Q20など)もご覧いただきたいのですが、何も興味関心のない16〜18歳の方が希少です。よほど無気力なのか、世間や社会に関心がないのでしたら、日頃接する機会の多い高校の先生方にも興味はないかもしれません。その場合は、どんな接し方をしても暖簾に腕押し、になってしまう可能性があります。

「志望理由や学びたいテーマがない」のであれば、引き出し方次第では、目の色が変わったように探究し出す生徒もいます。しかし、外圧での誘導も難しければ、好奇心の向く対象が出てくるまで待つことも重要な接し方です。

テーマが見つかるまでの辛抱は、生徒本人も指導する側も我慢強くないとメンタルは削られます。
この時間は「探究・研究したいことに気づくまでには必要な時間」です。

痺れを切らして、「教える側が”答え”を提示すること」は、
総合型選抜において最もやってはいけないことです。

主体である生徒から生まれるテーマでなければ、
長期的に見たキャリア設計に悪影響を及ぼすこともあるからです。

「とりあえずテーマが決まればいい」、「大学に合格できればいい」といった、
短期的なメリット重視の思考(ある種のプライド)を、受験生も学校も保護者も予備校も捨てられるか

この人間的成長こそが、探究学習や総合型選抜の本質ともいえます。

探究学習を大学受験の総合型選抜の出願に活かすため「間に合わせよう」と焦ると、既視感のあるテーマ設定になりがちです。これをズルズルと続けていくと、第一志望校も併願校も全て不合格の全滅状態になってしまう受験生が一定数いらっしゃいます。
志望理由や探究のテーマは、見つけるのではなく辿り着くものです。

各学年の何学期に、どんな内容で探究学習を設定しているかは学校によっても異なるはずですが、「どんなに遅くても、高校卒業まで」にテーマが決まり探究していれば、高校としての責任は十分のはずです。大学に進学させることだけが高校の役割ではありません。

高校の先生の立場上、言いにくいこともあるのは理解できますが、「(高校や)大学で学びたいことが今はないなら、無理して(研究や)進学をしなくてもいいんだよ」と本心で伝えてくれる存在が、高校にも必要ではないでしょうか。

大学は義務教育ではありません。
何歳で進学しても素晴らしい。
大事なことは、進学の理由です。

「周りがみんな受験するから、自分も〇〇大学を受験する」という不純な動機を持つことを否定はしませんが、当然ながらそのような理由を総合型選抜や学校推薦型選抜の面接官に対して言うことはありません。

年内合格という言葉も、あまり好ましくない分類かもしれませんね。
それを「現役or何浪」とラベリングする予備校が最悪なのはもちろんですが、各高校の合格実績報告の「( )内は現役人数」のような書き方も、受験生にプレッシャーやストレスを与えていることに気づきましょう。ぜひ関係各所全体での、表記方法の改訂は検討したいところです。

本心で学びたいことに気づかせたいなら、大学進学のことは一度忘れさせてみましょう。


次回も、高校教員の方々からの質問、Q51-55にお答えします!

Alternative Academy®︎
代表・河合雄介

 


この記事を読んでくださった受験生・保護者・関係者の皆様にとって、
受験本番までの時間が最も長く残っている日は、今日です。

「総合型選抜、何から手をつけていいかわからない…」
「書類の添削ってどこの塾も同じですか?」
「学校の先生との面接練習だけで合格できますか?」

様々なお悩みや心配事があるはずです。
まずは一度、Alternative Academy®︎の無料カウンセリングを受け、
最適な準備をご検討いただければと思います。

皆様の決断を先導&後押しできる準備を整え、サポートでお待ちしています!

受講相談・無料カウンセリングはこちら
>> https://altrntv-acad.com/contact/

Alternative Academy®︎はクリエイティブでオルタナティブな学び方を徹底して伴走します
Alternative Academy®︎はクリエイティブでオルタナティブな学び方を徹底して伴走します

Contact お問い合わせ

関連サイト