「御社(Alternative Academy®︎)も含めて、どんな総合型選抜塾が“いい塾なんですか”?」
という、漠然とした相談を受けるたび、当塾ではフラットな意見として「ほぼ一回限りの受験ですから、慎重に適正を考えましょう」と次の例を挙げて伝えています。
塾を選ぶ前に、その塾は「どんな病院に喩えられるか」で判断する。
総合型選抜の塾業界は今、急速に拡大しています。大手から個人塾まで、数えきれないほどの選択肢があるのです。Googleで一度検索しようものなら、いつのまにかInstagramやFacebookを開くたびに「逆転合格」だ「今からじゃ崖っぷち」だと、スクロールしても出てくるトラッキング広告が押し寄せてきます。それ以上に実数は多いのですが、検索中の、特に親御さんのお悩みによくあるのが「一体、どの塾を信じたらいいの?」問題でしょう。
正直、Instagramは広告の方が多いんじゃないかと思うくらいのUX(ユーザ・エクスペリエンス:顧客体験価値)になってしまいましたよね…
それでも興味がある状態だと、試しにクリックでもしてみちゃうこともしばしば…
「あれ?どこかで見たことある文言や構成ばかりだな…」
業種が同じだと、似たようなLP(ランディングページ: 長〜い1ページのWebサイト型広告)は散見されています。
同じようなことを、同じような文字の強調と、同じような入塾キャンペーンで構成し、いつしか無料相談へ誘導される。さらにその先は「無料相談の翌日までなら入塾金0円!」というフルコンボをかましてきます(が、この記事の読者の皆様は、今後は華麗にかわしましょう)。
「今からでも間に合うのか、間に合わないのか、どっちなんだい!」「入塾金って結局なんなんだ?」と突っ込みたくなる気持ちはよくわかります。それが、注意すべき塾の、The定番・営業手法です。
これはビジネスにおいては一つのセオリーとも言えますが、「教育」を受けるユーザーの視点に立つのではなく、腹の方が立つなんてこともよく聞く話です。
そう、「総合型選抜受験」は、志望理由書などの書類作成を始める前に「塾選び」で心理的に疲弊してしまうご家庭が少なくないのです。
「効率のいい見分け方があったらいいのにな…」
そんな方法があったら心理的にも経済的にも少しは助かるのでしょう。けれども、「目立つところやネット」には基本的には真実は書いていません。だから、見逃してしまうか、見つけられないのです。探す側にはなんの罪もありませんので、どうかご自身を責めないでください。
このブログは、
そんなお悩みを抱える「総合型選抜塾探しに迷走中のご家庭」に向けた記事です。
実は、前述の「注意すべき塾」以外だと、多くの塾の「中身・特徴」は似ている部分も多いのですが、意外にも多様でバラバラな特徴もあるわけです。同じ「総合型選抜専門塾」という看板を掲げていても、規模や運営体制、所属する「講師」の質、何よりもその専門性はまったく異なるからです。しかし、その違いをどの視点で、どのようにみていいかわからない…そんなお悩みに終止符を打ちたい。
このお悩み、総合型選抜の塾を「病院に喩える」と、モヤッとしていた気持ちが晴れるようなご家庭が多いので、毎年おすすめをしております。
ズバリ、「医師(講師)の研修期間と専門科の違い」を理解する、です。
何かに置き換えると、判断基準がパッと見えやすくなります。
順に解説していきます。
目次
- #1|総合型選抜塾は「病院のように種類」がある
- #2|「医学生・看護学生が問診や手術をする学生診療所」のような塾が急増中
- #3|「看護師や医療事務職(校舎スタッフ)は多いのに、医師(講師)不足の病院(塾)」の限界
- #4| 優れた講師の条件は「指導経験年数」だけではなく「専門的な経験の質」
- #5|「総合病院(大手塾)のふり」をしている塾の見分け方
- #6| 「医学生(学生講師)に診てもらう」ことが悪いわけではない
- #7| どんな「専門医(講師)」が受験生に必要か
- #8|転塾してきた受験生がようやく気づいた「前の塾の問題」
- #9|総合型選抜(AO・推薦入試)塾選びの「正しいセカンドオピニオンの取り方」
- まとめ:総合型選抜塾を病院に喩えた比較表【保存版】
#1|総合型選抜塾は「病院のように種類」がある
医療機関には種類がありますよね。大学病院、総合病院、専門病院、クリニック、診療所。それぞれに役割があり、得意とする領域があるわけですが、総合型選抜塾も、実はほぼ同じような構造で解説することができます。
例えば、
◆総合病院/大学病院型:早稲田塾や洋々などに代表される受講生人数も多く、歴史も長い“いわゆる”大手塾。
総合受付・窓口があり、スタッフ(看護師・医療事務含む)が多く、さまざまな症状に対応しています。
複数の「科」に相当するコースがあり、どんな志望校・どんな活動背景の受験生も受け入れる間口の広さも魅力の一つでしょう。表向きにはわかりやすい実績「数」が豊富な“印象”も抱きやすいですね。
ただし患者(受験生)の数が多いということは、医師(講師)の数も足りているかを把握しないといけません。お目当ての塾が講師の求人募集をしていることもあるので探してみてください。雇用される講師の給与や待遇など隠れた課題も見えてくることがあります。どんなに大手の塾だとしても、一人ひとりに割ける時間と専門性の集中には限界があります。お目当ての講師を指名できるかどうか、ブラックボックス化している所もあります。
◆総合診療所型:中規模・小規模の総合型選抜塾。
「なんでも相談できる」ことを強みとしているが、設備と専門医の数は大学病院には及ばない。地域に根ざした存在感はあると、口コミや紹介での入塾も多く「第三の居場所(サードプレイス)」を売りにする塾も多い。高度な専門治療(慶應SFC AO入試や筑波大学AC入試の準備)が必要な受講生にとっては、物足りない対応になることがある。
また、データベース(カルテではなく診断表=志望理由書)を収集・構築し、公開するサービスを展開する塾も増えてきた。図書カードやAmazonギフト券1000円程度で、合格者の志望理由書をかき集めて公開しているようだが、肝心なのはどんな診察過程(研究テーマ構築)で、処方箋(改善案)が出され、術前カンファレンス(戦略方針)が行われたかです。それらとセットでないと「書類の質」は評価も参照するのも難しくなります。「既視感の志望理由(定番の社会課題解決系など)」になりがちだからです。
◆専門に特化したクリニック型:特定の領域に特化した塾。
法律・政治系、さっくり理系、情報系、東海大学専門、日東駒専専門、私立文系専門…など、特化する領域や対象がわかりやすいのがこのタイプ。
クリエイティブ系・ダンス系・スポーツ(アスリート)系・芸術(アーティスト)系など、対象患者(受講生)が明確で、その領域における診断と治療に集中したリソースがあるため、総合病院よりも精度が高くなることも多いのです。
Alternative Academy®︎はこの類型に属すると判断できますが、「訪問医療(出張での対面サポート)も行っている移動型クリニックでもあります。おそらく日本では唯一なので、今後新しい分類になっていくのかもしれません。
そして、もうひとつの類型があります。
いつの間にかポコポコと業界で急増する、「ある類」の塾。
#2|「医学生・看護学生が問診や手術をする学生診療所」のような塾が急増中
◆医学生や看護学生が注射や問診をするような総合診療所型:医師どころか看護師も研修医もいない状態
2021年の名称変更等の流れやコロナ禍のオンライン授業の需要が顕在化し、総合型選抜の市場は年々拡大。それにに伴い、令和に移ってから「現役大学生講師が指導する」モデルの塾が急増しました。在学中に起業したい学生にとって、起業自体のハードルは低く、「コンサルタント」のような肩書きも名乗れるからです。
かつては家庭教師でも指導できるレベルの科目条件などがあった「学生講師」ですが、総合型選抜は大学・学部によっては志望理由書と面接の対策で済む場合もあり、合格(成功)体験を持つ現役大学生が後輩となる受験生を指導できる状態が一応成立はするのです。これは、一見すると「リアルな合格体験を共有できる」強みにも映ります。
しかし医療に喩えれば、「医学生や看護学生が問診や注射や手術を担当する病院」に該当します。
カウンセリングや相談ならともかく、書類の添削や研究計画や事業計画の診察や改善策の処方などは、なかなか難しいと感じる現役の学生講師も多いようです。
学生(=合格経験者)は、確かに自身が患者の経験を通し、どんな問診(議論)や手術(添削)があるのかはイメージはできるでしょう。ですが、目の前の患者(受験生)を正確に観察・診断できるかというと、まったく別の話です。
やや極端な比喩かもしれませんが、「一年前まで患者として手術を受けていた高校生」が、完治した途端「医者になる」状態です。ポケモンも驚きの大進化です。
この点について、まさに医学教育の研究が重要な示唆を与えています。
専門家(医師)は、問診や身体診察の前の段階からパターン認識を使って仮説を立て、「疾患スクリプト」や知見(・治験)に伴う多数の症例と内科的処置か外科的処置かなどを比較しながら診断を進めます。経験値による「瞬時に最適解を判断しやすい職能」が求められるわけです。
一方で非専門家(学生講師)は逆向きの推論《まず症状を集めてから診断を絞り込む》や《自身の闘病生活と成功事例(n=1)》に頼りがちです。
つまり、熟練した医師と研修医、そして医学生の違い同様に、「知識量」ではなく「何千もの患者を見てきた経験から生まれるパターン認識の精度」が明らかに異なるのです。
とはいえ、指導歴1~2年の自称・プロ講師(見た目だけベテラン勢)も多数いるのが、この業界のややこしいところである。場合によっては、優秀な学生講師の方が、経験不足の執刀医よりも手技が上手い可能性もあります。
下手な医者よりは優秀な研修医の方が患者目線の信頼は高まりそうですね…
さらに重要な事実がもう一つあります。
専門家の診断やヒアリング・パフォーマンスの基本は目の前の受講生(患者)の状態や特徴・特性の情報整理によるパターンの認識と分類と最適な策で対応、です。このパターンはAIの推論でも難しい場合は多々あります。専門家レベルの能力と単なる経験年数との間には、実は弱い相関しかないことが研究で示されている。
つまり「大学4年間、講師をしている」だけで専門家になれるわけでもないのです。正しい経験の質の積層と、実務の深層、両方が問われます。
また、総合型選抜で合格した大学生講師の多くは、将来、全員がプロの指導者(医師)にはならないのです。医学部1〜2年生の持つ知識と経験だけで受験生(患者)を指導(問診・診察・処方・手術など)し、卒業したらまったく別の職業に就く予定の医学生のようなものでしょうか。患者にとっては「この先生で大丈夫なのか」という構造的な不安はどうしても残りやすいのです。
#3|「看護師や医療事務職(校舎スタッフ)は多いのに、医師(講師)不足の病院(塾)」の限界
大学生講師とは異なりますが、似た問題を持つ構造が「寄り添い(ケア)重視のスタッフ型塾」です。
担任制度・メンター制度・担当スタッフ配置など、人と人との温度を感じられるような手厚いサポートを売りにする塾も多いですね。総合型選抜はメンタルケアも重要になる入試方式です。表面的とはいえ「優しい言葉がけ」を求める受験生は少なくないのです。
批評されることに慣れていない受験生も年々増えている印象があります。否定と批評を混同してしまう受験生もいる。だから「先生(医者)はあんなこと言ってますけど、ちゃんと治りますからね」といった声かけをサービスにする塾(スタッフに演劇部や劇団出身が多い某塾など)の需要はたしかにあるのです。医療に例えれば、やたらと看護師の多い病院です。
看護師は重要ですので、それ自体の否定は全くありません。尊敬と感謝の対象そのものでしょう。
患者の心身の不安や苦痛を和らげ、日常的なケアを提供し、医師と患者の橋渡しをする。その存在価値はもっと評価されてもいいでしょう。
しかし看護師がどれだけ優秀であっても、執刀外科医(批評者、添削者)の代わりには完全にはなれません。
手術が必要な患者(受験生)に、寄り添いと術中のサポートを提供するだけでは、受講生の課題(研究テーマ策定や面接での意外性のある指摘など)の解消には至りません。
総合型選抜の出願書類は、受験生の思考と経験を「学術的な言語」に変換する作業です。
「ダンスをやってきた」という事実を「芸術的身体運動と触覚認知科学の横断的研究」などとして再定義するなど、何手も先を読んで術式変更調整なども判断する必要があるわけです。
この変換作業は、寄り添いと励ましだけでは完成しない。変換する能力と技術を持つ専門家(医師)が求められますが、プロ講師でも少ない現状が複数の大手塾で確認できました。
塾のWebサイトに、やたらと全メンバーの集合写真を載せているサークルのような塾も多いですが、「塊」ではなく「個々の詳細」次第だなと、LPを見るたびに感じますね。
#4| 優れた講師の条件は「指導経験年数」だけではなく「専門的な経験の質」
では、総合型選抜塾の指導・育成における「優れた講師(医師)」とは何でしょうか。
単に経験が長いだけでは不十分だということは、前述の通りです。
優れた医師には、三つの条件が揃っていると考えられます。手前味噌で恐縮ですが、Alternative Academy®︎はこの三つを備えている自負があるため、独立開業に至りました。
1. 第三者の評価によって裏付けられた「実務レベル」の質と回数。
医師の世界では、学会での受賞・論文の査読通過・専門機関からの招聘が、その医師の実力を客観的に証明する。「自分は腕がいい」という自己申告ではなく、第三者が認めたという事実が信頼の根拠になる。
これは、指導者においても同じです。口コミも該当しますが、個々人での差が出るので判断が難しいところです。
媒体の賛否両論もあります。「どんなメディア」に載っているのか、「誰の推薦コメントがあるのか」なども、その講師のイメージや性質としてはヒントになる場合があります。
河合の場合は、クリエイティブディレクターとして日本空間デザイン賞BEST 50賞の受賞をはじめとした公的な受賞歴を有し、「広義のデザイン」の有識者であることは証明済みです。実は総合型選抜の塾講師には、建築・芸術系のベテラン勢が意外と多いのですが、日本空間デザイン賞入選を4回している講師は、国内のプロフィール検索上は見当たりません。なぜなら、プロの空間デザイナーでも複数回の受賞は限定的だからです。デザインの有識者にも認められる実績が複数あることが証明できます。
また、講師としてもダイヤモンド・オンラインやAERA with Kids plusなどでの取材回答・記事連載により、「自分で勝手に宣言している塾の広告」と異なり、「業界や媒体が認めた論点」という第三者性も持ち合わせています。
2. 大学側の評価視点や価値観、未来を見る視座とも一致しているか。
医療の世界でもどこの業界でも、著名な専門医と対談(や共同研究、共同開発、創作など協業)できるかどうかは、その医師の専門性の深さや視座の高さなどを示します。「あの先生にも足りない視点を持っている」、「著名な有識者と同じ視点で語れる」という事実は、その指導者の「視点の正確性」を裏付ける材料に最適です。
2025年に出版されたAERAムック『偏差値だけに頼らない中高一貫校選び2026』では、慶應義塾大学名誉教授・元SFC総合政策学部長の河添健さんとAlternative Academy®︎代表・河合の対談が実現しました。

河添さんは慶應SFCの教育哲学を最もよく知る研究者・教育者の一人です。そのことに異論のある塾関係者はおそらくいないはずです。河添先生との対談中、総合型選抜が問う資質・探究力の本質について、両者の視点や意見が何度も重なりました。
SFCマインドに偏っているという批判は確かに受け止めますが、SFCの後を追う形で大多数の大学がAO入試を導入し、文理融合や分野横断といったマーケティングワードを各所で使い始めました。総合型選抜入試のマイルストーンである以上、卒塾生に限らず、次世代の教育者はその考え方を理解しておく必要があるのです。
河合にとっては、10年以上貫いてきた「育成の視点の答え合わせ」ができた瞬間でもありました。総合型選抜という制度をどう捉え、合格に値する受験生の育成基準をどのレベルまで目指すかなど、「同じ方向を見ている」ことの証明と言えます。
3. 患者(受験生)の家族(経営者層の父母・保護者など)に対しても納得のできる説明が対話の中でできること。
優れた医師は、患者だけでなく、その家族とも誠実に向き合うことができます。忖度でもなく、事実を最適な表現で伝えるプロとしての姿勢が表れます。
難しい専門用語を使わず、状況と最善策や選択肢を正確に伝え、家族が意思決定できるよう情報を整理するのが得意な方も多いのではないでしょうか。
「どんな治療でもできますよ」では患者(受講生)も家族も不安になりますよね。
ビジネスでは企業の経営者が患者(クライアント)になることはよくあります。
その企業や顧客の性格や理念、ビジネスマインド、時間感覚、意思決定のスタイル、リスク認識の把握と課題提示の量と質… これらに全く同じ組み合わせがないからこそ、最善策の提示はAIやマニュアルでは難しいのです。
目の前の受講生の状況・環境に合わせたコミュニケーションが必須です。経験を伴わないとこのスキルはなかなか身につくものではありません。受講生にとっては「先生」の大学生講師ですが、保護者からもそう認知されるかは難しいことがほとんどです。
河合雄介は企業経営者や教育の専門家を顧客とする「デザイン・コンサルタント経験」も持っています。
これは「教育リテラシーの高い保護者とも、対等に話せる」ことを意味します。実際、受験生の親が経営者であっても、大学教授であっても、初めて子どもの総合型受験に直面する保護者であっても、忖度なく適性や可能性を納得できる形で伝えることができる講師です。
それぞれに合った語彙や例え話も交えながら対話できる点で、保護者からの評価も高くいただいております。
これは学生かプロか関係なく、指導の過程に対する信頼構築ができないと難しいことでしょう。
#5|「総合病院(大手塾)のふり」をしている塾の見分け方
結論の前に重要なことをまずお伝えすると、各塾が広告で記載し競い合っている「合格者数」と「合格率」はほとんどアテにならないと考えてください。(先輩たちの数字を安心材料にしてしまうと、油断も生まれます。)
まず、合格者数について。分母が大きい大手塾ほど率ではなく実数で宣伝をすることがあります。
実際の合格者数が多いことは(おそらく)事実ですが、カウント方法は塾によって様々です。複数の塾に通っていた人も計上するのか、夏期講習だけの参加者もカウントするのかは、塾次第。それよりも、分母を隠している大手塾には無料相談の時にきっちりと質問をし確認した方がいいでしょう。「実際、早慶を受験したのは何名ですか?」と。もう一つの、合格率。これは、各塾独自の基準で「不合格」の割合や人数を調整していることが多いのです。
合格者数の水増しは論外ですが、不合格者数のカウント方法を調整すれば、皆どこも「90〜100%合格」にできてしまうカラクリがあります。また、「第一志望合格率」は、そもそも「倍率が1倍程度の学校を第一志望」として受験した生徒が多くても成立する奇妙な数値です。同様に「第3志望以内合格率」を掲載するところもありますが、志望順位と入試難易度が比例するわけではないので、入塾の決め手となる数値ではないのです。
このように数字のレトリックなど理由が多々あり、もはや正確な「塾全体の合格者総数」は、ほぼ無意味に等しく「参考にならない」とお考えください。そうすれば、最初から「数字」や「定量的な特徴」だけで判断しないことを前提に塾を探していただけます。各塾の「定性的な特徴」にも着目しやすくなるはずです。
さて、上記の数字がもはや矛盾も含む業界である以上、規模も専門性も実態に合わないのに「総合型選抜専門」の看板を掲げる塾は多数存在しています。同業として本当に呆れるような広告ばかりのところも多いです。
アルバイト大学生が大半を占めるサークル(の延長)のような組織や、教育業未経験のオーナーが委託する学習塾というケースもあります。学生起業し、大学卒業後に雇用経験もないまま現在に至るような塾や、総合型のノウハウがない一般選抜向け学習塾に新規事業としてFC(フランチャイズ)を持ち込むところも増えています。
受験生のキャリアの転換点につけ込み、支援する立場の大人たちが「ビジネスチャンス」と捉えて目的を見失っているように思えてなりません…
では、どうしたら「(まともそうな仮面を被った)怪しい塾」と「(一見怪しいが、実は)まともな塾」を見極められるのでしょうか。
見分けるポイントは三つだけですが、本質的な確認事項はたった一つ。
「どこの塾」に入るかではなく「どんな能力のある講師と対話ができる塾なのか」です。
- 「誰が教えるか」を明示しているか
講師の経歴・実務背景・専門領域が具体的に公開されているか。「プロ講師在籍」と「現役大学生メンター」という言葉の違いだけで注目せず、どんな講師に担当してもらえる可能性があるかを必ず確認しましょう。
前者は医師(実力は様々)、後者は医学生(実力は様々)です。 - 合格実績の「量」ではなく、「質」を説明できるか
「200校以上の大学に合格者を輩出」という量の訴求は、総合病院の延べ患者数と同じで参考になりません。
どの大学・学部に、どんな背景を持つ受験生が、どのような書類で合格したかという「治療の内容」を無料相談時の担当者レベルでも語ることができるかどうかを確認しましょう。無料相談の担当者は、営業・窓口担当スタッフのケースが多々あります。医療事務の方の問診はさすがに・・・ですね。
(*受験案内がご専門の方も多いので、その手の相談に関しては対応がお上手です) - 「あなたの症状には対応できない」と言えるか
本当に専門性を持つ病院・医師は、自分の専門外の患者を他の専門機関に紹介します。
対応できる学部の幅広さは、強みも一部はあるのですが、「どんな受験生でも受け入れます」と強調する塾は総合病院ではなく、専門性のないクリニックである可能性があるのでご注意ください。
#6| 「医学生(学生講師)に診てもらう」ことが悪いわけではない
ここで誤解を避けておきたいのですが、大学生講師の存在を全否定しているわけではありません。
人をよく観察する能力のある「将来有望な学生」は実際にいます。私も感銘するほどの指導を手堅く行う学生講師とも協業したことはありますし、彼ら/彼女らとの対話は私自身も学びになりました。
慶應義塾の半学半教を体現されている方は少数ですがいらっしゃいます。
実際の医学生や看護学生にも、深い観察眼を持ち、患者の本質的な問題を見抜く(見抜こうと努力する)人はきっといるでしょう。同じ悩みを抱え、合格(克服/回復)した経験を持つ大学生講師の存在が、受験生の精神的な支えとして機能する場面は確実にあります。
ただし、それは「補助的な役割」において最も効果が高いと感じます。
問診と処置の責任者は、医師でなければ難しいことが実務上はほとんどでした。塾のレベルに関係なく、一定数は「自身の成功体験の二番煎じ」になってしまう方が多いのです。既視感のある「AO入試のための志望理由」を毎年目にすることになると、その講師の力量を信用しづらくなっていきます。
「大学生講師がいる塾」を選ぶ場合でも、その塾に「執刀(ハイレベルの添削)ができる外科医(プロ講師)」がいるかどうかなどを、ぜひ確認してください。プロの指導者が実質的に不在で、「スーツを着た大学生アルバイト」が主体となって指導している体制は、医学生だけが問診・治療を担当する病院と変わらないのです。
#7| どんな「専門医(講師)」が受験生に必要か
最後に、最も重要な問いを立てる。あなたの(ご子息/ご息女の)「症状(根底にある悩み)」は何かを整理してみましょう。
- ダンスを10年続けてきたから、入試にも活かせるか悩んでいる
- 音楽制作をしていて大学でも音楽に関する研究をしたいが可能性が不明
- 建築に興味があるが絵は苦手なので建築家を目指せるのか
- アスリートとして自主トレを工夫し全国大会に出たがスポーツ科学系に進めそうか
- 絵を描くことが好きで手を真っ黒にしてデッサンを続けてきたが美大以外の進学先はあるか
- 家電は分解しないと気が済まないほどの好奇心はあるが、評価してくれる大学はどこか
こうした「症状(悩み)」を抱える受験生に必要な医師は、その症状を「学術的な言語」に変換した経験や実績を持つ人間です。
例えば、広告デザインの研究をしたいなら、グラフィックやコピーライティングなどクリエイティブの実務を知り、研究するための語彙を持つプロ講師の方が、その受験生の活動背景を評価しやすくなります。
受験生の過去も未来も「自分ごと」として共感しつつ、客観的な批評や判断ができる人間だからです。
入学後の未来は学生講師でもリアルにお伝えできるでしょう。
しかし、大学をまだ卒業していない人が、卒業後の未来についてアドバイスするのは、実体験を伴わない空想でしかないのです。
熟練したスキルを持つ臨床医は、見慣れた問題(症状)に対してパターン認識を使い大まかな仮説を即時的に立てることができます。一方で複雑かつ複数の症状を伴う場合や、ハイリスクな病状が見え隠れするときには、分析的な思考に切り替え、問診・聴診・触診などを組み合わせ、あらゆる可能性を検証します。
医師と講師は「何を救うか」の差はあれど、同じようなコミュニケーションが求められる場面が多々あります。
特殊な経験を持つ受験生の指導は「見慣れた一般的なケース」にはなりづらく、思考方法自体の切り替えが必要です。だからこそ、そのイレギュラーな状況でも分析的に対応できる専門医(専門講師)が必要なのです。
有名な総合病院(大手塾)なら、どこでもいいから診てもらいたいですか?
その病院に「あなたの悩みに特化した専門医」がいるかどうかは全く別の話。塾を選ぶときも同じです。「この塾の先生は、うちの子の話や好奇心を、本当に理解できる人かしら」という疑問を、最初に立ててみましょう。
まともな塾(講師)なら、納得のいく回答が必ず返ってきますからね。
ヤブ医者(ヤブ講師)を見分ける質問例はいくつかありますので、公式LINE、または、無料カウンセリングでお尋ねくださいませ。例えば…
「総合型選抜では、文系と理系の違いってどれくらい影響しますか?」
などです。
解答例としては、「研究対象ではなく、検証方法に■■■■■■■や*****を扱えるかの違いはありますね」と言及しつつ、「所詮は、日本の大学入試における分類でしかないこと」なども、例え話を活用して説明できるかどうかです。
この質問に即座に具体的な事例で答えられる講師なら、安心材料の一つになるでしょう。
Alternative Academy®︎は、総合型選抜塾の長年放置された課題に、違和感を覚え、唱え続けた河合が開業した塾です。多くの「情報精査不足」で受講料を無駄にしてしまう受験生やご家庭をどうにか救いたい気持ちも併せ持っての決意の起業です。怪しい塾の見分けるポイントなど、ご相談いただければ、人助けだと思ってアドバイスを提供致しております。
#8|転塾してきた受験生がようやく気づいた「前の塾の問題」
実際に他塾から転塾してきた受講生と面談(セカンドオピニオン)をすると、共通した「症状」のパターンがあります。
例えば、
「某塾では、志望理由書をとにかく書かせて出させて、“ABCランク”で機械的に他の受験生と比べられる」
「自分の興味のないテーマと行きたくない大学まで提案された」
などがあります。
医療に置き換えれば、こういうことです。
「あなたの症状はBランクです。まぁ出血はしていないので、おそらく大丈夫でしょう。」
「Aランクの患者に割り当てているあの治療はあなたには難しいので、代わりにこの治療方針はどうですか」
と、患者の個別性を無視して治療や診察、ひどい時には同意のない手術(添削)が勝手に進められている状態だ。
さらに、
「大きな社会課題を志望理由に入れることを推奨(強制)され、見つけようと頑張る(矯正される)ほど、自分の研究テーマから個性が失われていく感覚がありました」。
これは、患者のQOLを無視し、「標準的な治療プロトコル」を当てはめがちな総合病院の構造的な限界を、受験生自身の言葉が証明していました。
専門病院の価値は「その患者の固有性に応じた治療方針を立てられること」です。
異分野の好奇心が交差する特異な研究テーマなどは、慶應SFCや筑波大学で高い評価を得ることがあります。「標準的な診察や術式」ではたどり着けなかった、心身ともに健全な総合型選抜受験の好例は、専門病院から誕生しやすい傾向はあるのでしょう。
#9|総合型選抜(AO・推薦入試)塾選びの「正しいセカンドオピニオンの取り方」
病院と同様に、塾選びでもセカンドオピニオンは有効です。
ただし、「慎重に相談先を探さなければ効果は薄い」です。
(通塾先によっては、他塾併用/相談の可能性が判明すると、担当講師や塾の代表に嫌がられたり、態度が豹変したり、嫌味を言われた…なんていう報告も、まさしくセカンドオピニオン時に聞くことがあります。
その予感が既にある場合は、こっそりご相談ください。何が何でも当塾は秘密を守ります。)
では、どんな方法で相談すればいいのでしょうか。
やってはいけないセカンドオピニオン:
複数の塾の「体験授業」や「無料カウンセリング」をひたすら受けてみるのはいいが、比較しての意思決定が難しくなる場合があります。また、雰囲気と料金だけで比較してしまうと本質を見失いやすい。これは医師の人柄や病院の内装の印象だけで入院先を選ぶこと似ています。楽しい入院生活を送るには妄想が広がりますが、再発などが起きないことを願うばかりです…
正しいセカンドオピニオン:
「自分の子どもの具体的な活動内容(や症状)を話したとき、その塾の指導者が何を提示(診断・処方)するか」を確認。
具体的には三点を確認してください。
- その指導者は、子どもの活動を「受験に使えるか使えないか」ではなく「どう学術的に言語化できるか」という視点で話を展開できるか。
- 子どもの強みと弱みを、「受かりやすいか」ではなく「その子らしさ・その学校との適合性」という軸で語ってくれるか。
- 「あなた(この子)にはうちより適した環境があるかもしれない」と正直に言ってくれるか。
この三点が揃っている指導者は、専門病院型の医師=あなた(のお子様)にの性格や症状や目的に合った専門の講師になる可能性が高いと言えます。
どの塾が合っているか、ベストな選択肢は、受験生一人一人異なります。
きちんとご自身に、ご子息・ご息女に向き合ってくれる「かかりつけ医」「主治医」を見つけるつもりで、複数の塾・予備校を必ず比較してから入塾しましょう。
※塾比較サイトも多数ありますが、課金ゲーム化しているサイトもありますので、「誰かの評価」に流されないようにお気をつけください。Google広告やAIに依存するだけの判断基準になってしまうと、情報リテラシーも低下し、最終的には面接試験で一人で戦える思考力が鍛えられません。
基本的にはどの塾や予備校も、無料相談は受け付けていますし、無料体験授業だけ参加してみて「適正」を見極める時間は確保する余裕を持っておきましょう。中学3年生や高校1,2年生のうちに、下調べだけでもしておくことをオススメします。
入塾自体は高三の5~6月くらいでも志望校次第では間に合うことも多いので、「煽り文句」に釣られて焦らないようにしましょう。「高3スタートは崖っぷち」とか、全大学・全学部がそんなわけないですからね。急がば回れ!
まとめ:総合型選抜塾を病院に喩えた比較表【保存版】

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
皆様の選択に不安が残らずに意思決定できることを祈っております。
Alternative Academy®︎では、他塾からの転塾や、比較検討されたい方の無料相談/カウンセリングも受付中です。
また、既に通塾中だけど、そこの指導が不安だから一度新しい視点でアドバイスが欲しい方向けの、セカンドオピニオンも提供しております。公式LINEまたは、下記コンタクトフォームからお問合せください。
オルタナティブアカデミー以外の塾も含めたメリット・デメリットもお話しできます。
「来るもの拒まず、去るもの追わず」な塾ですので、当日入会限定の割引キャンペーンや、電話やLINE、メーリングリストでの追い打ち営業などは一切しておりませんし、するつもりがないのです。
(しつこい塾や営業電話や勧誘って、誰でも嫌ですよね)
安心して、気軽に雑談くらいのつもりでお越しください。
※同業他社及びその所属講師・役員等への情報提供/交換・アドバイスは、研修講座及びコンサルティング扱いとなり「有料」です。
※中学・高校・大学・企業などへの「出張講座」の事前相談は無料です。
Alternative Academy®︎
代表・河合雄介
▼ 受講相談・無料カウンセリング(30-45分/初回限定)はこちら
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